『夜は短し歩けよ乙女』に見るパンデミックの恐怖

読書ネタ

いくつになってもドキドキを忘れない・・・
(って自分のトシになったらイタくないか?と書きながら気づいた)
ドクターコンちゃんです!

年末年始にちょっと時間があったんで
普段はあまり読まない恋愛系小説
『夜は短し歩けよ乙女』を読んでみました。

中2病的な名作

結構前に流行ったのは知ってたんですが
年齢を重ねるとともに他人の色恋沙汰には興味が薄れてしまい
敬遠してたんです。

でもね、
めっちゃ面白かったです。

予想とは裏腹に
男女の駆け引きがどーのこーのと言ったしんどい純愛ものじゃなくて
中2病的な妄想でいっぱいの男子大学生が
一目惚れした後輩の黒髪の乙女に奇遇を装って近づき
なんとか気に入られようと右往左往するコメディです。

(見方によってはストーキングではないかと思いますが(^^;))

またこのヒロインが
少年漫画にありがちな、
人間の性善説を決して疑わない
純朴で天然キャラなわけです。

まさに
中2病の
中2病による
中2病のための
名作です。
(ホメてるんすよ)

最終章は新型コロナを彷彿とさせる

最終章では
この小説の舞台となる京都中で
感染力の強い風邪が大流行します。

主人公たちの大学でもこの風邪が流行り
仲間を見舞いに行った人は
必ず風邪をもらってくるという
負の連鎖が起きます。

好意が仇となってパンデミックに拍車をかけるという
新型コロナを彷彿とさせる状況でした。

この作品が世に出たのは
まだ新型コロナなど発生していない頃でしたので
過去のスペイン風邪みたいだなどと
登場人物が語っております。

昨今の情勢を考えると
だいぶ不謹慎なネタに思えてしまうトコロに
新型コロナによって
ボクらのマインドが変化したのだなあと実感します。

このお話はあくまでファンタジーなので
李白さんというご老人に取り憑いていた風邪の神様が
諸悪の根源ということになってるんですが

そもそもパンデミックの制御には
犯人探しじゃなくて
世の人々全員の意識改革が必要です。

そういう最近の常識から逸脱した設定に
複雑なキモチになってしまいました。

ファンタジーな予言者
ファンタジーな予言者

世界を混乱に陥れているのは、恐怖の大魔王ではなく
末端の増殖する小悪魔たちなのだ・・・!
皆の者、戦ってはならぬ・・・!
小悪魔たちに見つからないよう隠れよ・・・!
さすれば平和は訪れん・・・!
お見舞い?もってのほかじゃ!

現実的な設定でファンタジー調に語るとこうなりますが
読み物としてはつまらないですね(^^;)

実際この作品では
風邪をひいた人たちを
黒髪の乙女が次々と見舞いに行き
その騒動の中で主人公の男子大学生と結ばれる流れになっているので
今風にソーシャルディスタンスを保っていたら
お話が空中分解してしまうでしょう。

いや~、やっぱり
人と会ってコミュニケーションを取るっていう行動が
恋愛成就には欠かせないのかなあと
他人事ながらしみじみと思います。

人間の恋愛行動は
半径100m以内なんて昔から言いますしね。

このご時世、
赤の他人と気軽に触れ合うこともためらわれるので
主人公みたいに恋に恋する男子たちには
世知辛い世の中になったもんですね・・・。

ホント最近の若者は
どうやって新しい恋愛してるんだろ?
合コンもマスク+ついたて?それともリモート?
初デートの前に抗原検査?
ってやっぱり他人事ながらオジサンは心配になるワケです。

密かに後ろにいた妖精
密かに後ろにいた妖精

・・・キモっ

密かに召喚されていたデーモン
密かに召喚されていたデーモン

・・・キモっ

ドクターコンちゃん
ドクターコンちゃん

・・・うるさい!
(どうせ中2病さ・・・)

パンデミックのことをコミカルにいじるのは
やはり不謹慎なので
ここらへんでお暇させて頂きます・・・

最後まで読んでくださって、
ありがとうございました~!!!

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