こんにちは!
ドクターコンちゃんです!
脊椎内視鏡についてググっていたら、こんな記事を見つけました。
Endoscopic Spine Surgery: What It Is and What It Isn’t
(脊椎内視鏡手術:それはどんなもので、そうでないものとは何か)
SPINE UNIVERSEという、一般人向けに脊椎情報を発信しているアメリカのウェブサイト内に、あるドクターが書いたものです。
要は従来法と比べて脊椎内視鏡オぺがいかに優位かということについて
一般の人向けに説明したいのだろうと思います。
この記事の中では、脊椎内視鏡のオペは1インチ(25.4mm)以下の傷で行うとあります。
ホントは8mm以下の傷で行う経皮的脊椎内視鏡と
25mm以下の傷で行う通常の脊椎内視鏡とは似て非なるものですが
ここでは一緒に扱われているようです。
ここで述べられていた脊椎内視鏡の有利な点は以下の通り。
- 皮膚や筋肉を切る量が減らせる。
- 出血量が少ない。
- 術後の不快や痛みが少ない。
- 回復が早い。
まあ、一般的によく言われていることですね。
特に筋肉へのダメージが少なく済むのが特徴で
術後の痛みも少なく
比較的すぐベッドから離れて歩けるようになりますし
傷が小さければその治りも早いです。
それに対して潜在性リスクとして書かれていたのは以下の通り。
- 生まれてからまだ若い術式のため、熟練した術者が少ない。
- すべての脊椎疾患には適応できない。
(例えば再手術や、明らかな不安定性があるもの、重度の脊椎すべり症、腫瘍などは適応外)
まあ、それはそうなんですケド。
ちょっと言葉足らずというか。
熟練者が少ないゆえに、若手を教育できる医師も少なく
初学者が独りで、手探りで行わねばならない状況が多いのではと思います。
そういう環境で熟達するまでのラーニングカーブの期間に、
神経損傷リスクなどの合併症確率が高くなるのがホントのリスクかと。
この記事を書いたドクターが言うには、
あなたの住む地域で脊椎内視鏡スペシャリストを見つけるのは
気の遠くなるような作業かもしれない。
なるほど。確かに、それは日本でも似たようなものかも。
アメリカではまずhealth care providers(ヘルスケアプロバイダー:医療提供者)に相談してみるとよい、とのことです。
ヘルスケアプロバイダーというのは、かかりつけ医だけではなく、ある程度の診療が許されている、医師のアシスタント( PA: Physician Assistant)や特定の看護師(NP: Nurse Practitioner)が含まれるようです。
(こういう職種が日本でもできると、医師の負担が減るのにね)
日本でも、まずは近くのかかりつけ医に相談するのが良いと思いますが、
自分の専門領域外の医師のウデについては、なかなか分かりませんけどね(^^;)
最後にこのドクターは、
テクノロジーと技術の進歩が、脊椎内視鏡を発展させてきた。
脊椎手術の選択肢というのは、自然の進化論と考えられるかもしれない。
!!!???
ちょっ!ドクター!?
コメント攻め過ぎじゃないっすか!?
脊椎内視鏡が進化論の最先端ってことスか!?
新しい術式というのは、必ず導入初期に不具合を起こすものですから、必ずその是非について論争が起こります。
これまで日本でも、脊椎領域に限らず新しい方法が出てくると
『従来法が成績安定してていいに決まってる』派と
『先進的な方法がいいに決まってる』派との間で
争いが起きてきました。
そして新しいにせよ古いにせよ、
大して良くない方法は広まらずに淘汰され
本当にいいものだけが残っていきます。
そういえば数年前に一部でもてはやされた
あの治療法どうなった?
ってことはちょこちょこあります。
芸能人の
「あの人は今!?」
みたいな感じです。
術式の盛衰は、確かに自然淘汰という意味では進化論に似ていると思います。
ただボクとしては、まだ脊椎内視鏡は発展途上であり、
全ての脊椎外科の市民権を得るには至っていないと思っています。
というワケで今後淘汰される可能性が無きにしも非ずなので、
脊椎内視鏡を脊椎オペ進化論の先鋒のように言っているこのドクターの発言は
なかなか過激な気もするのです。
それとも脊椎内視鏡が淘汰される可能性も含めて
進化論を持ちだしているのでしょうか?
未来のことは誰にも分かりませんが
ボク自身は淘汰されないように
内視鏡を含めた最新の脊椎技術も学び
進化の波をサーフィンしていきたいと思います。
最後まで読んでくださって、
(波酔いしそうになりながら)
ありがとうございました~!!!
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