こんにちは！
ドクターコンちゃんです！
今回もドクターＸ 外科医・大門未知子 第7話 (2021/11/25放送)について
勝手にまとめました！
（ネタバレありますのでご了承をm(__)m）
あらすじ
簡単なあらすじです。
東帝大学病院に以前勤務していた
若手ポンコツ医師の外科医・森本光（田中圭）が
エックスチューバ―（ユーチューバーみたいなもの）として人気になり、
広報のために東帝大学病院へ呼び寄せられます。
森本とタイアップし
東帝大学病院公式チャンネルが立ち上がります。
自信満々になった森本は
かつて尊敬していた大門未知子（米倉涼子）に対して
「これからの医者の武器はメスじゃない。影響力だ」
と言い放ちます。
未知子が立ち寄った定食屋の店主である七宮安江（根岸季衣）が腹痛を訴え、
検査の結果、かなり進行した胃がん（ステージⅢ）が見つかり、
早期手術が必要と判断されます。
かなりいっぱいの手術枠をなんとか抑えた未知子でしたが、
榎本環境大臣（徳重聡）が緊急入院し、
手術枠を横取りしてしまいます。
そしてもともと受診や手術に消極的だった
安江は勝手に退院してしまいます。
そんな中、森本の前に安江の娘・七宮萌香（白石糸）が現れます。
安江が以前から腹痛を訴えていたにもかかわらず受診しなかったのは
森本が動画で
「新型コロナ感染で病院がひっ迫しているから、
軽い腹痛は我慢してください」
という内容の配信をしたせいだ、と萌香が訴えます。
森本は安江の定食屋に赴き、
安江に謝りますが、
その際に安江が吐血し倒れます。
実は森本は、実家の病院でもウデが無いために自信をなくしていたところ、
たまたまエックスチューブの動画がバズり、医者としての道からエックスチューバーとしての道に逃げていたことを周りに打ち明けます。
安江は入院しますが
榎本環境大臣 に横取りされた手術枠のせいで
早期オペができません。
そんな折、TVで
榎本環境大臣 の病気は
副鼻腔炎（緊急オペは不要）で
あることが報道されます。
しかも院長代理・蛭間重勝（西田敏行）が
榎本は緊急オペが必要な状態だと
レポーターに応えているシーンも
TVで流れます。
あとに引けなくなった病院側は、
安江の胃がんのオペを
榎本のオペだと偽り
病院公式チャンネルで配信するという
とんでもない作戦に出ます。
安江の希望で森本が執刀医となり
未知子は榎本の副鼻腔炎のオペを処置室で行います。
大量の汗をかきながらも
なんとか順調にオペを進める森本でしたが
癌が腹膜播種していることが判明します。
根治オペは無理だと判断し
そのままオペを終了しようとした矢先、
やっぱり未知子が現れます。
ブルゼクトミーという困難な術式を行い
オペは成功します。
神原名医紹介所の所長・神原晶（岸部一徳）が
エックスチューバ―森本に契約してほしいと近づきますが
森本はエックスチューバ―をやめることにしたと告げます。
「自分が欲しいのはお金でも人気でもなく
医者としての自信と誇りであることに気づいた」
と森本は言うのでした･･･。
ウソの病気報道はまずいんじゃないですか？
あくまでフィクション・ドラマだからいいんですが、
他人の体のオペを
自分のオペとして配信するとか
ちょっとあり得なさ過ぎて
もはやギャグ漫画だなと(^^;)
病気については
超プライベートな話なので
個人情報保護の観点から
詳しくはお答えできませんトカナントカ
言い逃れは出来そうなもんですけどね。
ちなみに医者が
患者さんの病状について
本人の同意なしに他人に明かすことは
刑法１３４条 の守秘義務（業務上知り得た秘密を正当な理由なしに漏らしてはいけない）違反となり
れっきとした犯罪です。
だから守秘義務を盾に
TVレポーターには詳しい病状は伏せるということは
当然できますし
政治家がよくやる手口のような気もします。
まあそれじゃあドラマとしてはつまらないので
いいんですけどね･･･(^^;)
医者のYouTubeは病院・クリニックの宣伝目的が多い
正直、
ボクもちょっとだけYouTube配信をやっている身としては
今回のネタは
気恥ずかしくもあり
身の引き締まる思いも抱きました(/ω＼)
最近は
YouTubeで病気について説明する医者も
チラホラ見かけますね。
だいたいは
YouTuberとして稼ぐというより
自分のクリニックの宣伝の一環である気がします。
そもそも医者は
自分自身が商品なワケで
クリニックの院長であろうが
勤務医であろうがそれは同じことであり、
自分を宣伝することが
受診患者さんを増やすことにつながります。
実際にボクも
たいした本数を配信していませんが
見てくれた患者さんが
かなり遠方から受診してくれることもあります。
もちろん、ドラマの森本のように
YouTuberを職業として
収入のためとか
有名になるためとかいう目的もあると思います。
（森本みたいに巨大プリン作るとか
普通のエンタメ系YouTuberみたいなことをして
医者としての信用が上がるのかは分かりませんが(^^;)）
動画は医者選択の判断材料になる
患者さん側の立場になって考えてみると
どんな医者に診てもらえるのか
受診してみるまで分からないのは不安でしょう。
実際、悪い口コミは
医者のぞんざいな口調や話を聞いてくれないなど、
対応への不満についてが多い気もします。
あと、人間ですから
もしかしたら顔や声が生理的にダメとか
診療内容以前の問題の可能性もあります(^^;)
そういう問題を受診前に解消し
受診する医者を選択する時の判断材料の一つとして
病気について話している医者の動画を見るのは
アリだと思っています。
デジタル・ネイティブ世代が増えていきますし、
病院・クリニックのホームページや
ブログのような文字情報だけではなく
動画という情報発信ツールは
今後さらに受診動機につながると思っています。
医者による医療情報の発信は慎重に、かつ積極的に
今回のドラマでは
無責任な森本の発言が
受診控えから胃がん進行につながったということです。
一般的な医療情報の発信であっても
全ての人に当てはまることは絶対になく
ボクも発信する内容や言葉の選び方については
慎重にやっているつもりです。
（それでも人によって受け取り方は変わってしまいますが）
発信者が医者であっても無くても
科学的根拠に基づかない
膨大な誤った医療情報が
ネット世界には溢れています。
そういった情報で一般の人が
大事なお金や時間、健康を損なわないよう
できるだけ正しい医療情報を伝えていくことも
ボクら医者の務めかなと思います。
商売のために
間違った情報を流す人たちに比べて
医者は引っ込み思案で
積極的な情報発信を行えていない気もします。
そういう意味でも
動画という、文字よりも垣根が低く
伝わりやすいツールを積極的に活用し
医者が啓蒙活動を行うのも大切ではないかと。
新型コロナのため、講演会などで
人が集まりにくい状況だからこそ
動画配信は
社会的貢献にもなりそうですね。
医者としての自信と誇りを持つ努力をしながら動画配信しよう
森本は実家の病院で働くも
医者としての実力が足りず
自信喪失から逃れるために
エックスチューバ―としての道に
活路を見出しました。
それで自信を取り戻したようですが
結局は見せかけ・張りぼての実力であるにも関わらず
医者としての自信と
履き違えてしまったようです。
最後に自分の外科医としての
未熟さを突き付けられ
自分自身をだましていたことに気づき
もう一度、医道をまい進することを決意します。
（確かにあの動画では
医者としての誇りは失われそうです･･･）
確かに外科医というもの、
若いうちは経験不足もあり
なかなか強い自信は持てるものではありません。
逆に若いうちから自信過剰な医者は
謙虚さ・慎重さに欠けるため
大失敗をやらかしたり
反省から学ぶ姿勢が足りず
成長ができない可能性があります。
優秀な外科医は
自信過剰に陥らず
常に反省し
小さくても自分に足りないところを
埋めるように努力し続けます。
自信をつけるには時間がかかりますが、
森本は医師としての成長より
名前を売ることだけに注力したのが
問題でしょう(^^;)
では医療情報を配信するのは
ある程度年を取って
自信がついた年齢でなければ
ダメでしょうか？
ボクはそうとは思いません。
確かに自分のことを思い出しても
経験が浅すぎる医師の言葉は、
医学書や論文に書いてあるようなことしか言えず
浅はかになることも多いです。
本にも書いていないような
経験に基づく一次情報を積み上げることが重要で
それが言葉に重みを与え
医者としての自信となります。
でも先に述べたように、真面目で謙虚な医者ほど、なかなか絶対の自信を持つに至りませんので
ある程度一次情報が得られてきたら
情報発信しても良いのではと思います。
そもそも医者にとって、匿名でなく
顔を見せての動画発信は
かなり責任を伴います。
ヴァーチャルな世界だけでなく
現実世界でも患者さんに相対するので
信用を損なうようなヘタなことは言えません。
情報発信のために勉強も必要ですし
実臨床においても
自分を頼って受診する患者さんのために
多くの経験を積んでおかねばならないでしょう。
結局、
あえて顔を出して責任を発生させることで
自分を追い込み
医療者としてさらなる高みへいくための
原動力ともなるかと思います。
アンタ、色々と理由つけて
自分の情報発信を
正当化しようとしてない･･･？
･･･というワケで、
デーモン（周囲の医師が大門未知子につけたあだ名）も降臨したところで、
長い独り言を終わりたいと思います( ;∀;)
最後まで読んでくださって、
ありがとうございました～！！！
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